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江田さん 

江田さん(仮名)は私とそう年は変わらない(と、思う・・・多分)
長い黒髪を、耳の横で一つに束ねて
フリルのいっぱい付いたロングスカートで
ふわりふわりと、足音を立てずに歩く。

江田さんはとても親切だ。(きっと)
流しの網がつまってないか?
トイレットペーパーは足りてるか?
この本はあなたのではないか?
等々・・・・たびたび、声をかけてくれる。

そう、それも、
一時間に何回も。

「大丈夫です。もういいです。ありがとう。」
そう言うと、困ったような顔になり
「あのね、○%▲□*&なの。。。だから、△×&%◆してください。」
などと、言う。・・・・・わからない・・・
日本語の文法にのっとってはいるが、意味のない言葉の羅列だ。
それを、一日のうち何度も何度もくり返す。

母の入居した老人ホームにいる、若年性アルツハイマーの女性。
身体は健康で丈夫なので、どこへでも行く。何でもする。

うっかり居室の鍵をかけ忘れて、
夜中にベッドサイドに立っている江田さんに気づいて
ギョッとして目が覚めたこともあったとか。
そんな時でもニコニコして
「※○×▲&*ですか?」
などと話しかけてくると言う。

「△△へ連れていってあげます。」と、車椅子を猛スピードで押されて
怖かったということも・・・。


母は「もう嫌だ!」「我慢できない!」「限界!」と訴える。
私は、困ってうろたえる・・・しかない・・・。

施設に何度も要望したが、
檻に入れておくことも縛っておくこともできないし(そりゃそうだ)
お母様を鍵のかかる部屋に・・・(それは逆でしょ!?)
階を変えるとか、人手を増やすとか
何とかならないものか・・・。

そんな訳で、私の携帯には一日に5~6本母からの留守電が入ってくる。
最近は留守電を見るのが嫌になった。。。


でもね・・・そんな江田さんを見ていると
ふと、私には起こらないなんて誰も言えないよね。
どんな風に生きてきた方かわからないが、
こんな風に年を取っていくなんて想像しなかったにちがいない。
そう思ったら、力が抜けてしまった。。。

上手く生きるより、上手く死ぬことの方が難しいと
思える今日この頃です。。。

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